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2017.08.31「夏 2017」
2017年の夏も過ぎようとしていますね。
この夏は何と言っても葦船教室が一番印象的でしたね。
事の起こりはとてもシンプルでした。
昨年、地方へ文化財修理工事に出かけた時のこと。
偶然町で出会って、そのまま居酒屋で一緒に飲んだ探検家さんのお話が面白くって。
聞けば草船で世界の海を航海してるっていうわけ。
探検家さんのお話は、ご自身の人生を遡り、今に辿り着くまでの経緯や、出来事が盛り沢山で尽きないの。
そんな話を聞くうちに、「ヨシ!じゃあ僕らも草船つくっちゃお⁉︎」
ってことになって、探検家さんに教えを乞うべく南砺へお招きしたのです。
お招きしたのは、長崎在住の石川仁さん。
2日間に亘って開催した葦船教室には老若男女のべ40名余りが参加くださいました。
使用する材料はヨシ(ススキみたいなイネ科の植物)トラック1台分と長いロープだけで、とってもシンプル。
作り方も、複雑な道具は使わず、マニュアル本もなくて、とてもシンプル。
小さなお子様もお年寄りでも、自分たちの手に掴めるだけのヨシを持ち寄ってつくっていく。
だけど、手を放すとバラバラに散らばるヨシの束を、1本のロープだけで更に束ねていくので、みんなの手でヨシをかたまりに抑えて、みんなで1本のロープを引っ張り巻き締めていく。
ここで初めて出会った子供たちやお年寄りが、「おーい、そこ持ってて〜!」
「それ!今だ!引っ張れ〜!!」
って感じで、いつの間にかワイワイ声を掛け合って、お互いの額と額を寄せ合って作業する空気感が、なんとも清々しい空間でした。
クライマックスは、みんなでつくった一隻の舟に名前をつけて進水式。
命名「セントサクラ丸」
代わりばんこに乗船しての、感慨無量のクルージング。
楽しい2日間だったなぁ〜。
集まってくれた子供たちも、大人たちも、楽しそうだったし。
このごろモノづくりというと、個性を強調することに意識が向きがちな傾向が多いよう思えますが、ここにはまったく必要ありませんでしたよ。
むしろ個性と言うものの表現の有りかたによっては、ひとつのことを成し遂げるうえで障害にさえなるのかもしれませんね。