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2018.01.08こころをつなぐ木のいのち
南砺市内を眼下に望む山林で80年かけて育てたヒノキを使って、南砺にのこる建築文化を受け継ごう、というプロジェクト。
市内の林業者さんにお願いして山林から伐り出していただいた原木を、市内の製材業者さんに持ち込んで、一本一本丁寧に挽いていただいています。
市域の多くを山林が占める南砺市には、豊富な木材資源がありますが、残念ながら有効活用しきれないまま放置されているものも少なくないようです。
林業者によって山林から伐り出される一部の原木も、燃料や木質系建築資材に加工されるものがほとんどとのこと。
もっとも、そうした利用方法のすべてが良くない、ということではないのですが…。
思うのは、せっかく80年もかけて育てた木材をただ燃やしてしまったり、耐用年数が限られる建築資材等に廉価で加工してしまうのはもったいないんじゃないかな?っていうことなのです。
燃やしてしまう前に、もっと木材の価値を高めて、永く人々にも愛されるための役割を与えてあげたらいいんじゃないかしら、と。
何より、せっかく80年もかけて育った命が、伐採と同時に絶たれてしまうのが可哀想。 木は伐り倒された後も、ずっと生き続けていますからね。
うまく使ってあげたら、何十年も何百年も生き続けます。
燃やしてしまったり、一旦粉砕して接着剤でくっつけ直しただけの資材にしてしまっては、木はそこで死んじゃいます。
生きた木を活かした手法で加工し、建築として再び大地に建ててあげたら、きっと木も嬉しいんじゃないかしら?
確かな技術で加工された木は、全身から輝きを放ちますからね。
同時に、木の魅力や木をうまく使う、という伝統の知恵も人々に伝えることも出来ますしね。
という、誰よりも木をこよなく愛すると自認する筆者の、工期や予算という制約とも戦いながらの、木のいのちの魅力を誰かに伝えるためのお仕事。
いのちに囲まれてお仕事するって、いいもんですよ。