佐々木寺社建築

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歴史を活かしたまちづくり〜建物を通して街の歴史や伝統の価値を知ろう

一昨年の夏から始まった、茅葺古民家の保存修理工事がいよいよ大詰めを迎えました。

今回の工事は、現在横浜市で取り組まれている歴史を活かしたまちづくりで、魅力ある都市景観の創造を推進する上で特に歴史的価値の高い重要な歴史的建造物について「特定景観形成歴史的建造物」として指定し、保存と活用を推進する事業の中で進められています。

事業の対象となる建造物は、社寺、古民家、近代建築、西洋館、 近代和風建築など多岐にわたりますが、今回修理されたものは江戸時代末期ごろに建てられたとされる木造平屋建・寄棟造り茅葺きの主屋と付属屋です。

約二年間の時間をかけて、慎重に調査しながら進められてきた保存修理の内容は、建物の主要構造体(柱や桁梁などの骨格)を残して、以外の部材のほとんどは一旦取り外し、建物の全ての部材を寸法や樹種、加工方法や傷み具合などを調査した上で、古来の技法に基づいて再建築(復原)していく、というとても手間暇のかかるお仕事です。

反面、部材を細かく調査することで部材が語ってくれる時間の流れが、建物の歴史や関わった人たち、さらには時代背景など、歴史的場面も彷彿させる150余年の時間を辿るとてもドラマチックなお仕事でもあります。

 

今回の修理が終わった後は、地域に公開・活用される施設となるため、管理用の詰所も新設されました。設計監理者の細部までこだわった美しい建物になっています。

次の修理まで更に100年、地域の人々とともに新しい歴史の舞台として役割を果たしていくことでしょう。

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